『ロッキンユー!!!』2巻を読んで、ゆらゆら帝国「夜行性の生き物三匹」 (Click!) のマツリビートに酔い痴れています。


書評:
『文學界』(文藝春秋刊)にて、お酒書評「BOOKSのんべえ」連載中。
12月号掲載の第5回は、佐藤正午『身の上話』です。抑制の利いた柔らかな文体で語られるのは、タイトルどおりに、書店員の女の子の来し方です。作中で、すっかりおびえてしまった彼女の心を解きほぐすのはワイン。その値段は、500円以上1000円以下。一杯ではなく一本の値段で、おそらく西友で買われたもの。もっと贅沢できるはずなのにあえてそうしないわけは、彼女には、秘密があるから。

『サンデー毎日』で、書評コラムを隔週連載中。
第64回は、有賀薫『スープ・レッスン』(プレジデント社刊)です (Click!) 
理に適っていながら理詰めの窮屈さがない、これからの台所の指針になる本。「ひとつのスープについて、メインになる野菜はひとつ」という潔さのおかげで、この野菜にはどう火を入れるのがよいかという基本もばっちり分かる。担当編集者はこの本に収録されているレシピを全て試作したのだと、あとがきに記されていて、そこが信頼感の源でもあるなあと思います。
新刊、食書評エッセイ集『味見したい本』(ちくま文庫)の発売日は12月12日の予定です。


コーヒー:
「同時期にフランスをテーマにした媒体はあっても、正面切ってコーヒーをテーマに掲げたミニコミはなかった(はず)と、自負しています」
1990年代末の京都で短くも美しく燃えた『nounous』『marie=madeleine』は、当時は珍しかったコーヒーリトルプレスです。雑誌のバックナンバーからコーヒーの歴史を辿る月一連載「棚からプレイバック」で、私が京都時代につくっていたその2冊をとりあげてもらいました (Click!) 。というのも「棚プレ」は、当時『nounous』『marie=madeleine』を一緒につくり、今は神戸で編集の仕事をしている田中慶一さんが書いているコラムなのです。かつて、レイアウトや編集の上で参考にしたのは、戦後間もなく創刊された雑誌、たとえば、下鴨納涼古本まつりで求めた『あまカラ』や、リニューアル前の『暮しの手帖』だったなあと思い出します。とはいえ懐古主義に陥らないように、今このときのコーヒー情報と、老舗喫茶の年表が同時にある誌面を目指していた、とも。


エッセイ:
画家・牧野伊三夫さんが発行する美術誌『四月と十月』で「玩具」と題したコラムの連載が前号よりはじまりました (Click!) 。第2回は、浅草でつくられる縁起物、今戸焼話その2です。ここでは主に郷土玩具レポートを書いていこうと思っていましたが、これからはタイトルどおり「玩具」だと捉えられるもの全般に広げていくつもりです。たとえばプロ野球カードとか、酒器とか。


書評:
『文學界』で、お酒書評「BOOKSのんべえ」連載中。
11月号掲載の第4回は、金井美恵子『小春日和』です。「あんたも二十歳になったばかりだってのに、内田百閒なんか読んでちゃ駄目じゃないの、もっとね、若者らしい本を読みなさい、今から、シブくなっちゃあ、しょうがない」と、そのとき38歳になる叔母が姪をたしなめる場面にさしかかると、渋さとはなんぞや、と、毎回考え込んでしまいます。この小説は「渋可愛い」作品だと思っているのですが、そういやこのところその表現自体、あまり耳にしないな、とも。

『サンデー毎日』で、食書評コラムを隔週連載中。
第62回は、小松理虔『新復興論』(ゲンロン刊)です (Click!) 
揺れる心を包み隠さず、きれいごとを排そうとする姿勢が、その土地の食べものについての言をストレートなものにしています。
第63回は、小山鉄郎『文学はおいしい。』(作品社刊)です (Click!) 
小説や詩の中から「食」にまつわる描写を探し出し、鑑賞し、分析した食書評コラム集という、私の仕事と限りなく近しい本です。
12月に食書評エッセイ集『味見したい本』を刊行予定。ちくま文庫オリジナル『もの食う本』の続編です。

書評:
『文學界』で、お酒書評「BOOKSのんべえ」連載中。
10月号掲載の第3回は、太宰治『津軽』。
「津軽地方には、このごろ、甲州における葡萄酒のように、リンゴ酒がわりあい豊富だという噂を聞いていたのだ」これは1944(昭和19)年に書かれた話だけれど、今でもその噂は確かです。

9月23日付の産経新聞書評欄で、関根虎洸『遊廓に泊まる』(新潮社とんぼの本)をとりあげました (Click!) 
写真に添えられた文章は、宿のあるじから聞き取った遊郭の歴史と、泊まってみての印象を軸にした淡々とした筆致。たとえば青森は八戸『高山旅館』だと「雪国らしく掛け布団は3枚重ねてあった」と描写されるところにたしかにそこで一晩を過ごしたリアリティがあります。早く訪ねないとかき消えてしまうかもしれない、儚さを含んだ宿泊記録とはいえ、新潟市『旅館福田』や、秋田・由利本荘『錦旅館』などは、建築工事などの仕事のため遠方からやってきた人たちがしばしば長逗留するのだと説明されていて、そこで出される朝食のおかずのイカ刺しのおいしそうな光り具合を捉えた写真を見ると、ああ、活きている場所だなあと、ほっとさせられます。

『サンデー毎日』で、食書評コラムを隔週連載中。
第60回は、阿古真里『パクチーとアジア飯』(中央公論新社刊)です (Click!) 
タイトルにもある「パクチー」と、カレーの歴史を追う章の〆に登場する「大阪スパイスカレー」は、ここ最近、その人気が高まりまくっている食べものでもあり、この本では、工夫する心と貪欲さをもって、大陸の鋭角な風味をぐっと身近に引き寄せようと尽力している人の存在を知らされます。そして、どちらも日本らしい食べかたをされているのだなと。
第61回は、辰巳雄基『箸袋でジャパニーズ・チップ! テーブルのうえで見つけたいろんな形』(リトルモア刊)です (Click!) 
割り箸を取り出した後の箸袋を折り畳み、全く別の形に変身させた「あれ」をなんと呼ぶか、そういえば考えたことがありませんでした。
『ロッキンユー!!!』 (Click!) を読んでNUMBER GIRLを聴き返しています。
特に「サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態」。


取材(受):
月刊誌『&Premium』(マガジンハウス刊)10月号の特集は「素敵な人になるために、どう生きるか」 (Click!) 。その中の「私は、この人の生き方が好きです。」というコーナーで、新宿『BERG』 (Click!) 副店長・迫川尚子さんを紹介しました。『BERG』を知って、そこで食べて飲んで、今年でもう15年になりますね。


書評:
『文學界』で、お酒書評「BOOKSのんべえ」連載中。
月刊文芸誌『文學界』(文藝春秋)にて、お酒書評エッセイ「BOOKSのんべえ」の連載が先月号からはじまりました (Click!) 。9月号掲載の第2回では、上林暁『禁酒宣言』をとりあげました。

『サンデー毎日』で、食書評コラムを隔週連載中。
第58回は、野瀬泰申『決定版 天ぷらにソースをかけますか? ニッポン食文化の境界線』(ちくま文庫)です (Click!) 
食文化の境目を考察する本『天ぷらにソースをかけますか?』は、7年前に出した食書評集『もの食う本』でとりあげています。この度、続編『納豆に砂糖を入れますか?』と合体し、ちくま文庫に入りましたので、あらためて読み返しました。
第59回は、ナカムラクニオと道前宏子『村上春樹語辞典』(誠文堂新光社刊)です (Click!) 
この本をきっかけに『風の歌を聴け』を読み返し、悪酔いと二日酔いの様子がとても仔細に描かれていることに、心打たれました。
Salt-N-Pepe「Push It」ぐっとくる。羽織ってるジャンパーも素敵 (Click!) 

新連載「BOOKSのんべえ」:
文芸誌『文學界』8月号から、お酒書評エッセイ「BOOKSのんべえ」の連載がはじまりました (Click!) 。連載タイトルはもちろん『のんべえ春秋』からというのと、本屋っぽさを醸し出すものにしようと。第1回は、江國香織『神様のボート』をとりあげました。


書評:
『サンデー毎日』で、食書評コラムを隔週連載中。
第56回は、衣奈彩子『うつわディクショナリー』(CCCメディアハウス刊) (Click!) 。今様のうつわが一堂に会した、フレッシュな一冊。旧くからの友人、米谷享さんが撮影を担当しています。うつわの細部と佇まいの両方を伝える写真が流石。
第57回は、アンソロジー『ほろ酔い天国』(河出書房新社刊)です (Click!) 。お酒にまつわる41編のエッセイ選集。少し昔の話が主で、そういうお酒エッセイといえば定番といえる、内田百閒、吉田健一、山口瞳、吉行淳之介、田村隆一、田中小実昌らの名が目次に並んでいます。
あらためてKylie Minogueにはまっています (Click!) 

dancyu:
『dancyu合本 続・日本酒』(プレジデント社刊)に、以前本誌に書いた、酒器専門工房「今宵堂」に取材した燗徳利ルポが再録されております (Click!) 

本誌のほうはといえば、7月号の特集は「本気の昼めし」 (Click!) 。池袋西口『美松』の定食について記事を書きました。
長方形のお盆に並べられた、おかず、小鉢、具沢山の味噌汁、ごはん、ぬか漬け、どれもほんのり明るい印象で、少々くたびれたな、というときに照らされたいような光を放つ定食。
そうそう、池袋に行くならば、少し前に友達がやはり西口の酒場『千登利』に案内してくれて、そこもいい店でした。あと、東口に出て、西武地下2階の端っこにある秩父コーナーもいいです。フレッシュな野菜も「ちちぶ餅」もあり〼。


野球:
菊地選手こと菊地高弘さんの『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス刊)の刊行を記念し、『サンデー毎日』誌上にて著者インタビューを敢行しました (Click!) 。紙幅の都合上書き切れませんでしたが、一極集中と地方文化の隆盛について考えさせられる本でもあります。


書評:
若林恵『さよなら未来 エディターズ・クロニクル2010〜2017』(岩波書店刊)の書評が、6月10日(日)付の産経新聞書評欄に掲載されました (Click!) 
まえがき「S君のこと」に登場する雑誌『抄』の編集をかつて手伝っていたこともあり感慨深く手に取りました。若林さんの文章は、切れ味を増している上に、相変わらず軽妙であって軽薄でなく最高です。

著者インタビューに加え、『巨人ファンはどこへ行ったのか?』の書評も書きました。6月3日(日)付の下野新聞書評欄に掲載されております。私の出身地である栃木の地元紙に連載させてもらった書評エッセイ、1年間続きまして今回が最終回です。ご愛読いただき有難うございました。

『サンデー毎日』で、食書評コラムを隔週連載中。
第54回は、『小林カツ代のきょうも食べたいおかず』(河出文庫)です (Click!) 
オノマトペが光るレシピ53連発。これからの時期につくってみたいのは、茹でもやしを巻いて食べる「豚肉の塩炒め」、トマトを湯剥きして冷やしておく「トマトのスイートジンジャーサラダ」、手で裂いた鰹のなまり節を入れる「ミョウガと茄子のワーッと煮」など。
第55回は、大坊勝次・森光宗男『珈琲屋』(新潮社刊)です (Click!) 
東京は南青山で『大坊珈琲店』を営んでいた、大坊勝次さんと、福岡『珈琲美美』の店主だった森光宗男さんの対談集。今はもうない珈琲屋、今はもういない珈琲屋。でも、ふたりの対話はこの世にコーヒーがあるかぎり永遠だ。
SPANK HAPPY再結成に驚いています (Click!) 

書評:
『サンデー毎日』で、食書評コラムを隔週連載中。
第52回は、野村友里『Tokyo Eatrip』(講談社刊)です (Click!) 
東京にある、およそ60軒の食べもの飲みもの屋さんが紹介されている本です。私が行ったことのあるのはそのうちの1/4。その数を、多いととるか、少ないととるか。ただ、ここで生まれ育った野村友里さんの東京と、26歳でひょいと出てきた私の東京の地図に、1/4ばかり重なるところがあるのだと捉えると、その重なりの面積はとても広いようにも思えてきます。
第53回は、『ふるさとの駄菓子 石橋幸作が愛した味とかたち』(LIXIL出版)です (Click!) 
「駄菓子」という呼称は、明治時代以降、関東以北で使われるようになったとあります。それより前は「雑菓子」といったそうです。「雑」と「駄」どちらもいい意味の言葉ではないものの、「駄」のほうが愛らしく思えるような。
5年半ぶりに台東区に戻ってきました。

新連載「玩具」:
画家・牧野伊三夫さんが発行する美術誌『四月と十月』で「玩具」と題したコラムの連載がはじまりました (Click!) 。主に郷土玩具レポートを書いていくつもりです。第1回でとりあげたのは、浅草でつくられる縁起物、今戸焼です。


コーヒー:
月刊誌『dancyu』5月号に「珈琲と台東区」と題した記事を寄稿しました (Click!) 。東京23区で最も小さな台東区の南端から北上しながら、鳥越『蕪木』、観音裏『チョコレイトジーザス』、日本堤『バッハ』の3軒を軸にして書きました。

雑誌『Hanako』の「もっと!ひみつの京都」特集号(No.1154)で、京都らしい喫茶店×3軒『フランソア』『六曜社地下店』『WIFE&HUSBAND』を紹介しております。


取材(受):
月刊誌『天然生活』6月号の特集「暮らしの定番」 (Click!) の中の「愛する道具について、お話ししたいこと」というページで、ちくま文庫「文庫手帳」 (Click!) を紹介しました。2004年から14年間使っています。


書評:
4月15日(日)付の産経新聞書評欄に、千葉由香『小田原遊郭随想録』(カストリ出版刊)の書評が掲載されました (Click!) 

4月22日(日)付の下野新聞書評欄に『佐野洋子の「なに食ってんだ」』(NHK出版刊)の書評が掲載されました。

『サンデー毎日』で、食書評コラムを隔週連載中。
第50回は、五十嵐泰正『原発事故と「食」』(中公新書)です (Click!) 。2011年から今まで、福島県産の食べものがどんな風に扱われてきたか、情緒に寄りすぎず、しかし冷ややかではない視点をもって振り返ることのできる本はこれがはじめてだと思います。
第51回は、高山なおみ『たべもの九十九』(平凡社刊)です (Click!) 。高山なおみさんの文章とは20年来の付き合いになります。新刊が出る度に買い求めてきて、そして思うのは『たべもの九十九』はこれまでで最も内省的な本だということ。
引越しの春です。2年続いた福島通いが一段落し、東京は台東区に落ち着くであろう雲行き。

書評:
『サンデー毎日』で食書評コラムを隔週連載中。
第48回は、動物擬人化漫画の傑作!週刊少年チャンピオンに連載中の、板垣巴留『BEASTARS』(秋田書店刊)をとりあげました (Click!) 。性別、見かけ、体の大小だけではなくて、なにを食べるかによって、社会は分断されている。
第49回は、『あんこの本』姜尚美(文春文庫)です (Click!) 。どうにも腹の底が弱っていて、でもなにかしら口にしたいときのお汁粉、やや復調しつつある段階での、ふわっとしたどらやきなどなど、あんこに助けられる局面は少なくない。

3月4日付の産経新聞書評欄に、五十嵐泰正『原発事故と「食」』(中公新書)の書評を寄稿しました (Click!) 
今年もまた舞い散りはじめた杉花粉を目と鼻でキャッチ、ザイザルで蓋をする。

書評:
『サンデー毎日』で書評コラムを隔週連載中。
第46回は『シードルの事典』小野司/監修(誠文堂新光社刊)です (Click!) 
シードルの生産&消費量世界一はイギリスで、日本では、りんごの生産量一位は青森県だけど、シードルの生産量は長野県のほうが多いそうです。
第47回は、新装版『巷の美食家』開高健(ハルキ文庫)です (Click!) 
昨年末、開高健の食エッセイ集『巷の美食家』と『食の王様』が2冊同時に復刊されました。どちらにも繰り返し登場する事柄は、山菜のほろ苦さ、おいしいお酒は限りなく水に近いこと、そして「肉体の疲れは糖分で癒される。心の疲れは酒精を求める」ということ。